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Channel: サブカルチャーマシンガン
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旧syrup16g全曲レビューその9「君待ち」

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おいで手の鳴る方へ
素敵なあの頃へ
触れたらまた飛んだ
蜃気楼







これ、
もう20年前「以上」の曲になるんですね~
そりゃ自分も年食ったと実感する訳だ。
ただ、
去年「COPY」のアナログ盤がリリースされてそれ購入して聴いてたら、
この曲に関しては20年目にして新しい発見があって・・・
面白い事に、
音楽って一度聴いたら終わりじゃないんですよね。
年齢を重ねて、何度も聴き込んで、その上で新しく感じられる事ってどの曲にも絶対にあるから。
だから、音楽って素晴らしいし、人の心に「何か」をもたらすものなんだよ。
っていうのは、
個人的に大声で伝え続けていきたいとある程度の使命感を抱いて想っています。
それが望まれてるか望まれてないかは関係なく、ただやりたいからやる、って感じですね。


この曲は、
時を経て、
既に失ってしまったもの、
もう二度と戻って来ない情景、
それこそ・・・
所謂タイムマシンでもなきゃ不可能な、
欲してるけど帰って来ない思い出や未練を切なく、
それでいて達観しながら歌っているセンチメンタルなロッカバラードです
メランコリックな音像、温か味のあるギターサウンド、広がりを見せるアンサンブル・・・と
単純にメロディと歌声を聴いてるだけでも気持ち良く、
またある種のトリップ感もある初期の名曲です
意外と、
ライブで演奏する頻度もそこそこで、
自分も2~3回は生でこの曲を聴いた覚えがあります
ライブで聴くとより渦巻いたグルーヴが感じられてまた素晴らしいんですよね。





すべては ほら
もう劣化されない



ただ、
この曲を初めて聴いてから、
ずっと切ないノスタルジーだったり、
悲哀に満ちた断ち切れない未練のバラッドとして聴いて来たんですけど、
去年、
何度もレコードでじっくり聴いてる内に、
ふと上記のフレーズがこれまで以上に刺さった瞬間がありました。

確かに、
もう二度と戻れない瞬間は存在するけど、
逆に言えば、
その時得た個人的な感情や出来事は、
もう二度とプラスにもマイナスにもならない
それが良い事かは置いといて、
少なくとも❝憧憬のまま終わらせる事が出来た❞・・・と考えると、
それはむしろポジティブな事なんじゃないか、、、と去年ふと感じたんです

「触れたらまた飛んだ蜃気楼」だけど、
「もう劣化されない」という事実もある
だから、
良いし悪いしというか、
全ての物事は多面的である。という真実の証明にもなってると思います
なので、去年からは、今まで通り感傷的な名曲として聴きつつ、
むしろ「希望の歌」でもあるなあ、とも感じて、
前向きな、
美しい思い出を美しいままで持っておける素晴らしさを歌った曲としても聴ける様になりました。
それは、レコードって俗に言う「ながら聴き」が出来ないメディアだからかも、ですけど
(掛けっぱなしで何かトラブルがあったら困るし、寝オチとか傷が心配で無理だし)。
そういう意味では、
自分の中ではアナログ盤で聴き直してより大好きになった一曲であり、
改めてアナログ盤で新譜として出してくれたsyrup16gには感謝の想いを述べたいですね。
これからも一生掛けて聴いていく、大切な楽曲のひとつ・・・ですね。










久々のsyrup16gの全曲レビューになりました。
ペースは遅いですが、
自分は死ぬまでシロップの楽曲の良さを伝え続けてゆきたい、と考えてるので、
気長によろしくお願いします。。
「諦めない僕にThank youを」なんで、ね。



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