
百合カップルかな?(歓喜)
この話の肝は最後に呑子さんが「ちゃんと」取り乱してくれた事が大きいでしょうね
直接的に心情が描かれてはいないけれど、累ちゃんは(本当は)呑子さんに必要とされたかったんでしょう
もし真実を告げた後に呑子さんが平気の平左な態度を取ってたら彼女絶対ショック受けてたでしょうね
本音はきっと担当を外れたくはなかったし、先生にも同じ想いであって欲しかった
だからこそ、最後に呑子さんが取り乱した描写はかなり大きい訳ですよ
途中までは真実を告げる事を躊躇ったり自分自身の葛藤と揺れ動いてる累ちゃんの相様だけでお話が進んでいて、
肝心の呑子さんの気持ちが未知数だったからこそ、自分(累)と同じように惜しんでくれる、
離れたくないと思ってくれる呑子さんの態度が何よりも嬉しかった・・・
ある意味そういう話だったように思います。
誰だって誰かから必要とされたいものです
特に自分が懇意にしている/してきた相手には、その分必要とされていたいもの
それは決して打算的な考えではなく、人としての当たり前の感情だと個人的には思います
このお話の素晴らしいところは、呑子さんが冷静ではいられなかった感情の揺れ動きにあると感じるんですよ
累ちゃんが呑子先生の為に必死で頑張って、一緒に制作に取り組んで、毎回わざわざ本人の所まで足を運んで、
ちゃんと腹割って話せる信頼関係を築いて来た描写があったからこそ、
最後の描写にドラマが生まれた訳で
それもまたミウラさんの構成力の賜物だなあ、、、って個人的には思いました
ただ累ちゃんが離れたくなかっただけの話じゃなくて、それは呑子さんも同じで、
そんな二人の絆がきちんと感じられるからこそ本当に素晴らしいと思えたんだなあ~と
つまりは「お互い好き過ぎだろ!」って話ですね(笑

ところで、今回は百合的にも良かったな、と思いました
なんか冒頭に挙げたカットとか、百合漫画のそれだろ(笑)って思っちゃったんですが
個人的には呑子さんは誰かとくっ付くよりもこういう女同士でやんややんややってる方が似合ってるのかもしれません
ある意味累ちゃんがちょっとだらしないけど確かに格好良くて素敵な相手を支える妻みたいに見えました
正直この二人のアフターストーリーとか観てみたいですよね・・・
これはこれでいつもとは違う魅力があるというか。。
学生時代はきっと陰キャだったことは容易に想像がつくんですが、
陰キャは陰キャだけに好きなものには一途ですから、なんか素直に憧れてる様も良くてね・・・
ある意味「純愛」を感じましたよね、ええ。
でもね、
「大切な事をメールで済ます」っていうのはね、はっきり言ってナシですよ
今の世の中は簡単に繋がる事が出来る分、より関係性が希薄になってるような気がしますね
一見繋がったように思えても、ボタン一つでぶっち出来る悲しい現実もありますから、
その意味じゃ「どうなんだろう?」って気もしますけどね・・・
便利になった分、
何かが失われている気も大いにします
だからこそ、ちゃんと本人に会いに来て告げる事を選んだ累ちゃんの誠実さが光ってるなあ。とも言えます
それもまた相手に対する「愛」ありきの行為だと思いますからね この話全体を通してですけど、
呑子さんに累ちゃんが信頼される理由が本人の口から話してなくても伝わって来るんですよ
データ上の簡素なやりとりだけではなく、人としてのぬくもり溢れるコミュニケーションをちゃんと取って来たからこそ、
作家に信頼される編集になれたんだなあ。。ってのがよく伝わって来ます
呑子さんの単独回は一年ぶりくらいだと思いますが(笑
今回もまたしっかりとしたメッセージ性を含んだ名話に仕上がってたなあ、と感じました
やはり、自分が捧げて来た想いの分だけ、相手も同じ事を想ってたり、その想いを返してもらったら、
想った側としても嬉しいものですよね。そういう良さが今回の「ゆらぎ荘」にはありましたし、
やはり博愛精神だけじゃぶっちゃけ厳しい部分もあるんじゃないかな・・・なんて
ふと思ったりもしてしまいました。それはそれでリアルっちゅうかね。
またこういう話を編集者の視点から描けるのも凄いですよね
「漫画が良くなる過程」もさり気に描かれたりもしていて、
複合的な意味合いで面白味がありグッとくるお話でした。やはり個人的に今のジャンプでは「ゆらぎ荘」が一番好きな漫画です。

また、冒頭のこの何気ない会話のシーンが、
オチに繋がっていた、伏線だった~というのにも唸らされました
田村さんはただセクハラ的発言だから怒ってた訳じゃなく、
恋人が他の女の事を語ってるから怒ってた訳なんですよね
そういう目線で見ると本当に有り体なカップルに思えてくるから不思議だ・・・笑
オチとしても伏線的描写があるので「筋が通ってる」とも言える、巧い話数でもありました
あと個人的にアラサー(?)のやや爛れた感じの描写が凄く良かったです
自分の年齢的にもああいう描写はフィットしますねえ。
特に13ページ目とかね!