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Channel: サブカルチャーマシンガン
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深淵に向かう君。/アクタージュ 第50話「阿良也と巌②」 感想(週刊少年ジャンプ2019年9号)

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                             無理する阿良也可愛い。









この話数で描かれてる事って真理だと思うんですよ
阿良也は他人の嫉妬の感情だったり、全力で何かに邁進する気持ちを理解してないようだったけど、
正直人間そこまで極端な差異のある生き物じゃないから本当はどんな感情だってあるはずなんですよね
ただ彼は、今まで「それ」を知らなかっただけというか、
他人と関わることで「本当の」感情を知って行く
そういう意味合いでも、
阿良也に芝居・・・という道は似合っているように感じましたね。






結構、
他人と自分が似てないように思えても、
その実よくよく考えればそっくりだし似たような感情を共有してたりするもんなんです
例えば、嫉妬一つ取っても誰にだってそれに近い感情は大なり小なり持っているし、
それが突き詰まると「諦め」というものに変化するんでしょうけど、
阿良也の女は色恋沙汰で嫉妬して、
阿良也自身は「役者」として嫉妬して・・・
それは違うようで本質的には同じ感情だと思うんです
同じ人間である限り、
「あいつより」って想いも「認められたい」って想いも普遍的にあるものである。と、
そういう阿良也を天才とか怪物とかではなく、ちゃんと“人間”として描いていた作劇が何よりも見事だったんですよね

宇宙人っぽいけど、
実は誰よりも人間らしくて素敵で、
だからこそ、誰の役割でも演じられる普遍性にも富んだセンスを得られたんだろうなあ・・・という説得力がありましたね。
 ある意味、「自分の本音や心情に素直になる。」というメッセージすら含まれてるように感じられた秀逸な話数でした。
阿良也は自分の感情に自覚的になるセンスにも長けてたんでしょうね。







ただ、
行き過ぎた追求は「もう二度と戻れない」普通への道も示唆していました
役者の業を追求するあまり、「それ」以外のことが見えなくなってしまった
尊敬する「巌さんに認められる」という目標に没入するあまり、もう「それ」しか求められない身体になってしまった
それはつまり、
以前自分の感想で書かせてもらった“依存”・・・ですよね
いつか星アリサみたいになりたい。
いや、星アリサ以上に自分を見てもらいたい、自分を認めてもらいたい。。
そんな夢、希望の消失に耐えられない阿良也の「本音」がその依存を端的に表しています

そして、
今週は阿良也のそれほどまでに強い巌さんへの“想い”が感じられて個人的にとても堪らなかったですね
阿良也も、本当は心のどこかで誰かに「本当に」認められたい、という気持ちがあって、
その対象が巌さんだったのかもしれない、、、って何となく思いました
皮肉にも、
阿良也自身が深く潜り過ぎて戻ってこれない状態になっているのが面白くもありますが、
次週は1周年記念の表紙&巻頭カラー!!という事できっと夜凪ちゃん(巌さん)がアンサーを出してくれるでしょう
それは単なるわがままではなく、心からの絶望・・・だったんでしょうね、恐らく。









しかし今週はアリサの発言の真意がようやく理解出来てその意味でも面白かったです
だから、以前のアキラのようないい意味で上辺中心の役者を育てようとしてたんですね・・・
その意味でも、景の出す答えに興味津々です・・・!




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