
この漫画を読んで一番に感じたのは、
「これ少年誌じゃ出来なかったんだろうな・・・或いは青年誌でも厳しいかもしれん。」って事でした
サブカル系の雑誌で連載するべき漫画だったんだろうな~とは強く感じましたが(まあその雑誌未読なんですが汗)、
別に過激な事とかは一切ないんです、
結構・・・
勧善懲悪だとか起承転結とか、そういうスッキリするもんのない漫画なんですよ
どっちかっていうと最後までスッキリしないまま終わる感じ、、、というか、それが味だと思うんですけど。
現実でもそう、
何もかも解決してハッピーエンド!
何もかも裏目に出てバッドエンド!みたいな、
そういう物語チックというかちゃんとオチが付く事ってあんまないですよね
それを漫画の中でやっている漫画・・・とか書くと興味持って貰えるんでしょうか
例えば、
この漫画にはある「いけないこと」をした人物がいて、
普通だったら・・・普通っていうか、少年誌や青年誌だったら勧善懲悪及び因果応報とか、
まあ何らかの形で読者がスッキリする方向に持っていくと思うんです
でも、
最後の最後まで「いけないこと」をしたまんま終わっちゃうんです
でも、その人物が最悪でした!って感じで後味悪く終わっている訳でもなく、
この人物にはダメな部分も相当多いけど、でもこういう良い部分もあるんです。みたいな・・・
そう考えると、
凄く多面的というか、
漫画のキャラではあるんですけど、
どのキャラも漫画漫画してないっていうか、
それが魅力というか味に昇華されてると思うんですけど、
それはキャラの思考や性格の話であって絵柄とか演出はコミカルに仕上がってるんです
だから上手い具合にリアル寄りにも漫画寄りにも行かずに「中間」を保ってるというか・・・
それがこの阿部共実という作家さんの持っている確かな個性かな。と強く感じた漫画でした
正直、かなり面白かったし、
少年誌とか青年誌の漫画と違って色々と曖昧な部分も多いんで、
そこを「リアル」だと強く感じられればめちゃくちゃ楽しめる漫画だと感じます
最後に一つ、
表紙とかタイトルでちーちゃんの漫画、だと誰しもが思うでしょうが、
この漫画の主人公は表紙に映っているちーちゃんではなく、
ナツだと思いました。
そう考えると、これって普遍的なお話なんですよね。読めば分る~って感じの漫画でした。